『自律訓練法』に興味が湧いた理由(その2) ◎   ~読者の言葉

その1を読まれた読者の方から、掲示板にご意見を頂戴しまし た。

色々私も啓発されましたので、こちらでご紹介します。m (_ _)m

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こんにち は。

こちらの掲示板に 書き込むのは初めてかもしれません(笑)


トロ吹きさま、 お久しぶりです。いつも大変的確なレスを返して

いただき、感謝しております。


『自 律訓練法』を拝見させていただきました。残念ながら

僕は件のテレビを観ていなかったので、それ についてお話を

することは出来ないのですが、本番に対する 心構えというか

トレーニングについてとある人から伺ったお 話をご紹介させて

いただきたいと思います。


もちろん賛否もあると思いますし、「そこまでは出来ない よ」

という意見も御座いましょうから、あくまで 参考程度に聞いて

戴けるとこちらも話しやすいです(笑)


一言で言うと、

   「本番のような練習、練習のような本 番」

                というこ とです。


私のトロンボーンの師匠は関西でも有名な高校吹奏楽部のご出身

なんですが、レッスンの時にこの言葉が部室にか かっていることを

教えていただいたことがあります。一見当たり前 で単純なようです

けど、なかなかマネのできることではないですよ ね。本番という

未来的・非日常的な時間・空間に1から絵を描く 想像力が必要だと

思うし、練習は何のためにするのか?という基本 的な問題がどれだけ

整理できているかで本番までのロードマップが全 然変わってくると

思うからです。私は生徒達の「何時間何ヶ月練習 してもさして上達

しない様子」を見て、こう思うようになりまし た。


   『本番という締め切りまでに完結する段階を踏んだ練習予定を立てる』

   『(ある楽曲の個人レベルで)完璧に吹け るようになったら練習しなくていい』


本番で緊張するのは普段の練習とは全く異なった環境に身を

置くからですよね?

では本番を想定した練習を行ってみるという のはどうでしょう。

といっても本番のホールに行って音を鳴らし てみるという訳では

ありません。(お金に余裕があればやりたい ですけどね)


まず、時間。

本番の時間と全く同じ時間設定をしてリハー サルを行って

みるのはどうでしょう。

普段お昼に練習している学生が夜の本番をし たり、夜練習を

している社会人が昼の本番をしたりすると体 の調子や楽器の

抵抗感が違うため、自分を見失ってしまい意 外と緊張して

しまうものです。


次に服装。

これは学生さんにはあまり関係ないかもしれ ませんが、普段の

練習を本番の衣装でやってみる。

普段Tシャツにジーンズで練習してる方がい きなり本番でカッチリ

フォーマルに身を包むと慣れないネクタイな どに首の苦しさ

を感じて緊張してしまいがちです。学生さん などはいつも

上履きなのを本番のように靴を履いて演奏し てみる、というのも

いいかもしれませんね。


非常に共感する部分が多いです!。

本番というのはふだんの練習と違うことの連続で すよね。起床・食事・

集合時間から始まる1日のスケジュール、極めて 短時間の中に要求

されるウォーミングアップ・チューニング、そし てバンドとしての

トータルサウンドのチューニング、これは毎日再 構築されるものです。


うちの生徒は、何も言われなければ本番の時でもネクタイを緩め た

まま平気でステージに上がろうとします。その都 度注意しているの

ですが、私は普段からからネクタイは締め、服 装・髪型は整え、姿勢を

正して練習に臨んで欲しいと思っています。一つ 一つ納得ずくで事を

進めるのが私のやり方なので、まだそれを言うタ イミングは訪れて

いませんが。。。


逆に、本番当日にやってみたらいいかな、と思うこと。


普段基礎合奏を行っているなら、本番当日にも必ずやったほ うが

いいと思います。「時間が無いから、とにか く曲を!」と

思われる先生方もいらっしゃると思います が、個人的に音作りを

出来ていない子たちを自主的にウォーミング アップをさせて

曲に入ったところで、呼吸が浅いままな故楽 器が鳴らず、緊張

させてしまうということになりかねないので はないでしょうか。


練習の場所と本番の場所、その段差が大きければ大きいほど子供 達は

舞い上がり、譜面にかじりつき、「play music」とはほど遠くなります。

内容が少しそれますが、先日学内のクラブ紹介と いう本番演奏の後の

反省会で、生徒達の反省会の内容をじっと聞いて いて、最後に私が

言ったことがあります。


「結局あなた方の話に出てくる言葉はCANとMUST(=社会 的)のことばかり。

今日のステージの上のあなた方の姿から、DOと WILL(=個人的)を感じる

ことはできなかった。CANとDO、MUSTと WILLのバランスについて、今夜は

寝ないで考えて欲しいんだ!」


大将様の記事内にあったラジオ体操ではないですが、普段 やって

いることを普段通りやって、ちゃんと演奏に 対する準備をする。


緊張回避の手段のひとつかな、と思います。


工事の現場については「作業性」ということが問題になってきま す。

うるさい騒音、あかりが整備されていないために 薄暗い、狭い中で

沢山の職種の職人が入り混じっている中では、作 業の効率性、確実性が

毎回環境に左右されます。脚立に上がって作業を する前に、作業中に

必要となる工具などをどれだけ腰にぶら下げて上 がるのかなど、自分の

近い・遠い未来を心に描いて細かい準備もしてい かないと、人によって

仕事の結果ががらっと変わります。いつかKY (危険予知)ミーティング

のやり方も紹介したいと思います。


  要は、練習と本番の垣根をどれだけ低くしてやれるか

  が重要なんだと思います。


結論が一致しましたね!。(^_^)


  舞台モノに限らず人に観て聴いていただくものの中で

  「キンチョウしたから上手くいったよ」 というものは

  あり得ないでしょう。

  「リラックスして普段より楽しめたよ」 というほうが

  名演が生まれやすいということは僕がこ こで偉そうに

  いうより皆さんのほうがよくご承知です よね。


これは大人だったらわかる人が多いと思いますが、学生には繰り 返し

解説してあげないと、なかなかわからないかもし れませんね。


あ。あと。

僕自身の緊張緩和策をご紹介しましょう。採 用不採用はご自由に(笑)

舞台に上がったら指揮者を見て、同じテンポ で呼吸をしています。

曲中、休みがあったら他の奏者や、曲に合わ せてブレスをして

います。つまり、緊張によって浅くなりがち な呼吸をあえて

しっかりするようにしているわけです。


意外と使えますよ。試してみて下さい。


自律訓練法でも、呼吸のやり方がありました。極端に舞い上がり 過ぎ

そうな気持ちをやわらげるのに良いですね。


最近私が指揮をする時、本番の高ぶった気持ちを音楽作りの高ぶ りに

乗せていくことが前よりもうまくなってきた気が します。

自分が緊張している状態を否定するのではなく逆 に嬉しいと思うこと、

ステージの上に立ってまぶしい照明とたくさんの 聴衆の視線を浴びる

のは、シャワーを浴びる時のように気持ちが良い と思うこと。

私はそんなことを時々思い描きます。

[05/04/16]