『自律訓練法』に興味が湧いた理由(わけ) ◎


吹奏楽指導やリハーサルや本番演奏を通じてしばしば気になるのは、生徒

(というより子供たち)の精神状態である。さまざまなプレッシャーや本番前の

緊張感に耐え切れずダウンしてしまったり、何事にも過剰に反応してしまっ

たり、逆に反応が急速に鈍ってしまうような状態も考え併せないと指導上の

手段の選択が難しく、また思うような結果にたどり着けないといったことが

少なからず生じる。先日の本番では、直前にある生徒が演奏不能の状態に

陥り、1ステージ丸々下りるというハプニングもあった。指導者としては何か

手を打たなければと思うのだが、これは吹奏楽指導の領域を超える問題で

あり、教員でもない私は頭を抱えてしまう・・・。


昨晩、NHKの「ためしてガッテン!」を何気なく見ていると、緊張度の高い

職業において判断力を整え、ミスを無くす体操をやっていて、思わず見入っ

てしまった。新築工事現場では朝8時にラジオ体操をして朝礼をする現場が

多い。この一見単純な「ラジオ体操」は、やると気分的になんとなく満足感が

あり、気持ちに余裕や準備感が出る。朝礼が上手な建設現場は、事故が

少ないと言われるほどである。建設現場と吹奏楽演奏というのはある意味

似ているかもしれない。この番組では、ラジオ体操の代わりに行われている

「体操」が紹介された。建設現場やバスの運転手などにこの体操を励行した

結果、年間の事故数が激減したそうだ。


この体操は『自律訓練法』と呼ばれるものだそうだ。心身の緊張と緩和を

司る「交感神経」と「副交感神経」というのは両方が柔軟に補完しあって

バランスを取るが、これが「交感神経」ばかりになってしまうとハイでヒステ

リックな状態が過剰に続くため冷静な判断を阻害し、「副交感神経」ばかり

になってしまうと、今度は緊張感や集中力が過剰に不足してしまい、

「ぼぉーっ・・・」として能率がまるで上がらない、たやすくミスを冒し、事故を

引き起こすような事態につながりやすい。


同番組HPには、イスに座ったままどこでもできるようアレンジしたやり方が

載っている。・・・とりあえず、あなたが一度やってみて下さい。

指導者として生徒にもさせたいと思ったならば、しばらくは生徒まかせに

するのではなく、指導者なり先生なりが、共におだやかさを取り戻す気持ち

で行うと効果的ではないかと思う。私もこれからやっていきたいと思います。


☆ためしてガッテン!ホームページ(「各自検索」でお 願いします)

→過去の放送

→死者1万人! 家庭内のうっかり事故徹底対策(2005年3月30日放送)  

[05/03/31]