◎ リーダーシップと人間関係の話(その2)
◎・・・誰にも相談できない人のために
人間関係の問題がこじれていく背景には、「この人はこうなんだ」という
きめつけがあるように
思う。人のことを簡単にきめつけて、さもわかった
ようなふりをしたがる人に出遭うと、私は耳がシャッター状態になり、
目は仕方なくそっちに向けていてもマジックミラーのように相手の姿が
消えてしまう・・・。
(もっとも、たまには自分が相手にそう思われてしまう時もあって、
しまったなぁと悔やむこともあるけれど。(>_<)
ここで、アメリカの心理学者マズロー(1908-1970)の『欲求階層説』
を借りて、『人間の欲求』というものについて考えてみることにする。
人間の欲求というものはピラミッドのようになっていて底辺から始まり、
1段階目の欲求が満たされると1つ上の欲求を目指すという説である。
1.生理的欲求
2.安全欲求
3.帰属と愛情の欲求
4.尊敬欲求
5.自己実現欲求
1.は、人間が生きる上での根源的な欲求である食欲や性欲、
また睡眠や保護などを求めること。
2.は、身体的安全や、経済的安定などを求めること。
3.は、他人と関りたい、他者と同じようにしたい、集団に帰属
したい思うこと。
4.は、自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬される
ことを求めること。
5.は、自分の能力、可能性を発揮し、創造的活動や自己の
成長を追求すること。
これはあくまでマズローという学者の試論であるが、リーダーシップと
人間関係を作り上げていく上で非常に大切なことを教えてくれている
ように思う。私がここから読み取ったことを書き表せば、
・人は常に安心を求めている
・人の心には必ず向上心が育つ
・安心は自信へ、自信は信頼へと発展し、更により創造的な活動や
リーダーシップを生み出すための源となる
ということになる。
最後に、実際にこじれてしまったメンバーとの関係を修復するために、
リーダーはどうすればよいのだろうか?。
これはどんな時でも決して簡単な事ではない。しかし、相手は必ず
「本当はリーダーの言う通りにしたいんだ」という気持ちを、どこかに
潜ませていることを忘れないことである。
「メンバーは自分の言うことを聞く気が無い」と思えば腹も立つが、
怒りをぶつけられたメンバーは、リーダーに対してますます心を閉ざ
してしまうことだろ
う。そして、憎しみが物事を解決した試しは無い。
大切なことは、感情的な対立を解決して、物事を本来あるべき方向に
向かわせることなのである。
メンバーは、常にリーダーを見ている。メンバーに「このリーダーの
言うことなら聞きたい」と一目置いてもらえれば、リーダーの苦労は
格段に減り、やりがいが増すことだろう。
まだ若いリーダーにとっては、一時的にでも自分の感情を押し殺すと
いうのは辛いことだと思うが、「グループが一つにまとまって、メンバー
一人一人の努力が大きく実を結ぶ」ためにリーダーというのは欠かせ
ない役割だということを思い出して頑張って欲しいと思う。
一つ満足行く結果が出せた時、リーダーもメンバーも一回り大きく
成長しているはずなのだから。
[02/03/02]