◎ 『can』は『do』についてくる ◎
 
 

今年から複数の吹奏楽部の指導に携わるようになり、全く環境の違う

バンドに関わるようになって、去年より少し視野が広がったように思う。

そんな中で気が付いたことは、

『下手な人を上手くするのは、思ったより簡単だなぁ』ということ。

大分前に『うまい、へたという言葉について』書いてみたが、この

『上手い』『下手』ということばを単純に英語に当てはめてみると、
 

○上手い=出来る=can

○下手=出来ない=can not
 

となるのではないか。そこにはよく、次のような論理が待っている。

"I do not, because I can not."
 

「もっと、こう演奏できない?」「えーっ!出来ませーんっ!」

「こんな風に演奏できるように、もっと頑張ってごらん?」

「そんなん難し過ぎるわー!ウチには絶対出来へーん!」
 

何やらひどい事を書いているように思われそうだが、なかなか上達

しないバンドでは、何のためらいも無しにこんな返事が返ってくる。

そのくせ『金賞』は欲しいのだから、やれやれ・・・

(これを無いものねだりという。(^_^;)
 

もちろん、一つのバンドの中にだっていろんな人がいるけれども、

こういう考え方は概して伝染(うつ)りやすいのである。

『13.むずかしい話』の、私のトロンボーンの師匠の言葉を思い出して

欲しい。
 

「難しいというコトバは、あんまり使わないようにしましょうか。

”難しいから出来ない” んじゃなくて、自分は本当は出来るんだけど、

”練習が足りないから出来ないんだ”と 思って一生懸命さらってたら、

いつの間にか吹けるようになっていたというのが良いと思いますよ。」
 

上手くなる子は、夢中で練習している。

上手くならない子は、(どうせ出来ないというアタマがあるから)

義務的に練習している。
 

目標が高ければ高いほど、出来るようになるまでに時間がかかるのは

当たり前のことである。だが「しない」やつだけは、いつまでたっても

出来るようにはならない。

いや、上手くなりようが無いのである。
 

『can』は『do』についてくる。

だから「いつかそうなりたい!」と憧れる気持ちこそは、

なんと大切なものだろうか・・・。
 

[01/06/04]