◎“イン・テンポ”と音楽の構成、など◎
今から数年前、演奏会の直前にある先生に自分達の演奏を見ていただき、アドバイス
していただくことがあった。以下はその第1曲目、A・リードの『ヴィヴァ・ムシカ』という
(オープニングにふさわしい、終始イン・テンポで進む快活な)曲の通しの後にいただいた
アドバイスを、思い出しながらまとめてみた文章である。
ちなみに先生は、その後のどの曲にも”同じ傾向”を感じられたようであった・・・。
指揮者である私には大変恥ずかしい話であるが、吹奏楽のコンサートではしばしばこう
いった傾向の演奏がみられるようにも思うし、また「イン・テンポとは何か?」「音楽の構成
とは何か?」を考える上での良きヒントになればと思い、あえて取り上げさせていただく
ことにした。
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(どの曲にも言える事だと思うが)、音楽が終始一本調子で"緩む"ところがない。
これでは恐らくお客さんも聴いていて、疲れてしまうだろう。
音楽が「力強く、華々しく」開始したならば、どこを目標に進行し「緩む」のか・・・。
曲の終わりまで力強さや華々しさを保つためには、途中で「息をつく部分」や
「開放される部分」があってこそ、再びまた気を入れ直すことができる。
"(力を)入れる→抜く→入れる→抜く→入れる"という「運動」が必要である。
冒頭から"ど派手"に始まるけれども、どこまでが『目標』で、どこまでが『一区切り』
なのかが感じられないと、聴いている方はつらい。
またピアノ(p)の部分は「弱く」ではなく、次に来るいきいきとしたものを秘め「予感」させる
部分ではないか。常に音楽の「色」を感じて演奏して欲しい。
(この曲における)「変拍子」の部分は、「楽しくてしょうがない」といった感じでのびやかに
歌いたい。
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今改めて思ったんですけど「変拍子」って、並外れた躍動感、エネルギッシュな様子を
感じさせるために使われることが多いようですね。
・・・ストラヴィンスキー、バルトーク、・・・リードの「アルメニアン・ダンス」・・・
「おっ、変拍子だな。よーし、生き生きと振ってやるぞぉ!」・・・
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[00/03/01]