◎担当者◎
 

「指揮者の暗譜についてどう思うか?」との御質問を受けた。

今まで『そら』で振ったことはあるが完全な暗譜で指揮をしたことはないので、今のところ

責任持った発言が出来ない・・・。

JBAゼミナールの時の川本統脩先生への質疑は『・・指揮法の巻』に書いた通り。

京都市立音高の指揮者ワークショップの時、藏野雅彦先生は奏者とのアイコンタクトが

とりやすいという理由で、出来るだけ暗譜することを勧めていらっしゃった。

岩城宏之さんの著書『楽譜の風景』や『指揮のおけいこ』には、網膜へのフォトコピーに

ついて書かれている。
 

ただし、殆どの指揮者の方が異句同音に「覚えてしまうほど詳しく調べるべきだ」と

おっしゃられており、経験に基づいた重い忠告であると感じている。

覚えていてもスコアを見ながら振る主義の指揮者もいると聞く。
 

そういう事にしとこうかな・・・。
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ところで「どうすれば覚えられるか?」ということについて、またまた音楽とは関係無い所で

思い当たるフシがあったので書いてみる。
 

私は電気通信工事関係の仕事をしており、比較的軽微な工事は先輩と2人組みでやって

しまうことが多い。私とその先輩は別の元請会社の担当をしているのだが、現場への車の

行き方や現地に着いてからの入館経路など”他人(ひと)の現場”はなかなか覚えられない。

「担当者についていけば良い」「担当者に聞けば良い」という意識があるからだ。
 

これが自分の現場なら、『地図』や『設計図面』をよく調べて事前に頭に入れておくのが

当たり前だ。作業の取りかかりが遅くなれば、その日に終わらせたかった作業が終わらなく

なり、後日余計に現場へ行く羽目になる。しかし、先方の都合や自分のスケジュールで

もう後に作業に入れる日が無い場合は、泣く泣く手抜き工事をせざるを得なくなり、結果と

して満足の行かない、不本意な現場となってしまう。
 

『地図』や『設計図面』を楽譜に置き換えるとすれば、スコアを覚えられるか否かということも、

それを読み解く知識と共に、自分が”担当者”であり、”先導者”であり、”工事責任者”である

という意識や”覚悟”を持って見ているかということも微妙に影響してくるように思う。
 

独奏曲の暗譜についても同じ事が言えるのだろう・・・。
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[00/02/17]