◎リハーサルの進め方◎
 

最近あるオーケストラのコンサートマスターの方のエッセイを読んだ。3日間の

定期演奏会のリハーサルの使い方は、プロの指揮者でも様々なのだそうだ。

ある素晴らしい指揮者のリハーサルの進め方について書いてあるのだが、

色々と思うところがあった。おおよそ、次のような内容だ。
 

1日目・全体を把握する日

○料理でいうと、材料のチェックから同じ長さに切りそろえるといった下ごしらえに

当たる。4分音符が長すぎたり8分音符が短すぎたりしないよう、それぞれの素材の

灰汁(あく)を取り除く。
 

2日目・少々難しい注文を出す日

○ 素材に手を加えていく。

・スコアの読みの深さ、楽器や奏法の知識など、指揮者のおおよその技量が見抜ける。
 

3日目・仕上げの日

○繰り返し練習する。煮込む。

・何が問題なのかを、奏者の想像力で自分自身に気付くようにしむける。

・楽団の良い部分を見つけ、認める。
 

練習の進め方として一番注目したいのは第1日目だ。自戒も込めていえば、こういった

下ごしらえの部分というのは、意外と見過ごされてしまっているのではないだろうか?

プロの指揮者でも、初日からいきなり素材に手を加えようとする人が少なくはなく、また

そういう人に限って、限られた時間の中でなぜ今そんな練習をしなければいけないのか、

明確に説明できないのだという。
 

◎99年12月JBAゼミナール受講記(合奏法の巻)◎では、「トレーナー性重視」か

「音楽に命、エネルギーを与える指揮者性重視」かを自身で選択しながら

という話があった。いいヒントになると思う。
 

[00/01/21]