◎むずかしい話◎
私がトロンボーンのレッスンを受けるようになって、しばらく経った頃のこと。
当然エチュードや”もらう”曲も、だんだんと難しくなってくる。細かいパッセージに
苦手意識を持っていた私は、「先生これ、難しいですねぇ。(@_@)」と、半ば同意を
求めるように良く言っていた。
いつもならば「そうですか。」「じゃぁ、ゆっくりやってみましょうか。」と、とりあって
もらえない(あたりまえ!(^_^;)ところだが、ある時先生はこんなことをおっしゃられた。
「難しいというコトバは、あんまり使わないようにしましょうか。”難しいからできない”
んじゃなくて、自分は本当は出来るんだけど”練習が足りないから出来ないんだ”と
思って、一生懸命さらっていたらいつの間にか吹けるようになっていたというのが、
いいと思いますよ。」
「難しい」「出来ない」「(自分は)下手だから」となどのコトバの裏には、どうやら
「やりたくない」という気持ちが、いくらか含まれているようだ。
「難しいなぁ、こんなの出来るわけないよ。」と、私達は何のためらいも言ってしまう
けれど、なにげなく発した自分のコトバが、知らないうちに自分のやる気を失わせて
しまっていたり、何とか工夫しようとする方向に自分を向わせようとしなくなっている
とすれば、問題だ。
私もそういいながら、今も常に自分の中の「難しい」と戦っていて、ときどき負ける。
自分を先入観(思い込み)から解き放つことは、誰にとっても難しいことなのだ。
まず「難しい」「出来ない」というコトバが出そうになった時に、”ぐっ”とこらえてみる
ことから、初めてみよう。
[99/11/25]