◎アシュケナージ・チェコフィルのドヴォルザーク交響曲第7・8番◎
 

 アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904):

 1.交響曲 第7番 ニ短調 作品70

 2.交響曲 第8番 ト長調 作品88

1998年4月21~23日 プラハ「芸術家の家」ドヴォルザーク・ホールにて収録

ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

Pony Canyon/PCCL-00441

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私は高校2年の時、クラブに先輩に誘われて、ある小さなアマチュアオーケストラで

お世話になったことがある。1度だけコンサートに出させていただいたが、その時の

メインがドヴォルザークの交響曲第8番。トロンボーンパートは唯一団員の私が1番、

エキストラの社会人と大学生の方が2・3番であった。楽譜は難しいしすごいプレッ

シャー、私はLPレコードを買って家でカラオケ練習をよくしていたが、あのアパート

(社宅)でよく近所から苦情が出なかったものだ。
 

このレコードは、晩年のジョージ・セルとクリーブランド管弦楽団との録音(EMI)である。

オーケストラの音が非常に美しい歴史的名演奏だが、当時何回も何回もくり返し聴き

過ぎたおかげで耳にタコができてしまい、その後滅多に聴けなくなってしまった。(^_^;

違う演奏のディスクも何回か買ってみたが、この演奏の印象を越えることはなかった。
 

最近気に入っているキャニオン・クラシックスのチェコ・フィルの録音の中から、現在

同フィルの首席指揮者で、ピアニストとしても高名なウラディーミル・アシュケナージ

指揮の、ドヴォルザークの交響曲7・8番のディスクを買った。

初めて聴いた時、個人的には、コバケンと同フィルの録音等で聴かれる演奏に

比べて少々おとなしいというか、指揮者が目立たない印象を受けた。(個人的には

同曲をコバケンが振れば、より目鼻立ちのはっきりとした演奏になるのではないか

と思うし、それは私の好みでもある。)

期待していたイメージからすると、ほんの少し物足りなかったのである。

しかしここでもチェコ・フィル巧さは、際立って印象的だった。
 

ふだん何となく聴き返すことを避けてきた第8番だが、オケと録音の音の美しさと艶、

リズム感とメロディとの融合、最終楽章の盛り上がりとフィナーレの鮮やかさなど、

この演奏ならば、何回取り出しても聞き飽きないだろうと思う。弦楽器のピッツィカート

の伴奏まで、実に心地よく楽しく聴くことができた。
 

第7番はほの暗く激しい曲想で、演奏も難しそうな曲。だが第2楽章の風景画のような

美しさや、第3楽章の情熱的な舞曲と、第8番にもひけをとらないと思う。

第4楽章・フィナーレのアグレッシブな響きは圧巻。荒々しい響きの中にも柔らかさと

厚みがあり、本当に「音の割れないオーケストラ」だとただただ感心するばかりである。
 

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オーケストラによって指揮者のポストというのはまちまちであるが、現在チェコ・フィルの

主だった指揮者は次の通り。(1999年日本公演パンフレットより)
 

○首席指揮者(Chief Conductor):ウラディーミル・アシュケナージ

○常任指揮者(Permanent Conductor):ウラディーミル・ヴァーレク

○客演常任指揮者(Permanent Guest Conductor):小林 研一郎
 

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[00/10/21]