◎大説教◎
 

今日、約3週間ぶりに母校の吹奏楽部へ行った。

1週間ほど前に電話でコンクールの指揮を頼まれ、曲と練習スケジュールの打ち合わせを

するためだ。
 

まだ数日後の合同コンサートの練習をしているため、じーっと合奏を後ろの方で見ていた、

というより、練習上に着いた時からの様子で今どんな状態なのかは嫌でもわかる。

前に来た時に新しいチューニングの方法を指導したのだが、元のチューニングメーターに

頼った方法に戻っている。

一番恐れていたことだった。
 

この先々コンクールの練習が始まれば、彼らにとって少々困難な事も要求していかなければ

ならない。だが私はせいぜい週に1~2回くらいしか練習には行けないし、要求した次の日

から積み重ねていってもらわなければ、良い習慣は身に付かない。うまくなるのもへたになる

のも、どんな習慣をもって練習しているかで決まると言って過言ではない。
 

練習の雰囲気が良くないといっても、みんながみんな一様であるという訳ではない。良くない

状況になんとなく気付いていながら、どうしていいかのわからず、浮かない顔をしている子も

多くいる。思わず・・・"大説教"してしまった。頭に血が上ると、何を言っているのかわからなく

なってしまうのだけど。
 

「俺、そんなチューニングの方法教えたか?。」・・・・・・

「お前らうまくなりたいんやろ。コンクールに出るんやろ。お前らのために言うといたるわ。

技術的なことで妥協したらあかんで。コンクールまであと何十日あるか知らんけど、毎日の

小さな積み重ねが大きく結果に出るんや。ちりも積もれば山となるって言うやろ。

うまい学校には年に600日の練習できる日があって、へたな学校には200日しかない

のと違うねんで。うまい学校にもへたな学校にも、練習ができる日は公平に同じだけある

んや。1週間やそこらで追いつくのは無理やとしても、半年や1年かければ、どんどん差は

縮まるはずや。毎日の目に見えないほんの小さな積み重ねが、目に見える大きな結果を

生み出すんや。自分に厳しくしなあかんで。わかったか?・・・、期待してるで!!。」
 

帰る道みち、大きな胸のつかえを感じながら自問する。「そういうお前は、どうやねん?」
 

えらそうなことは言えない。まるで自分に説教してるみたいだ。しかし俺は、本当に彼らの

ことが心配になって、説教してしまったのだ。このままでは、うまくもなれず、楽しくもなれず、

熱中もできず、膨大な時間をムダ使いしてしまうようになるのは目に見えている。

かけがえの無い10代後半の1年間を、無為に過ごして欲しくはない。今学んでおかなければ、

将来苦しむことになるのは彼らなのだ。

いや、今でもどうにかしたいけど、どうにもできずにいるのではないだろうか。

そして私の中には、最近の我々大人達は、子供達を正しく叱り、正しく期待してやることが

出来ているのだろうか、という問題意識がある。
 

彼ら、"いい目"をしてたと思う。これからも"いい目"を忘れず、がんばれ。(^_^)
 
 

[00/06/04]