◎いろはかるたに学ぶ(その1)◎
 

子供の時、お正月はよく”いろはかるた(犬棒かるた)”で遊んだものだ。

わかりやすい札もあれば、意味がわからないまま読み上げたり取ったりしていた札も

あった。もう、かるた遊びなど忘れてしまった今となって「ことわざって当たってるなぁ」

と思うことがたびたびある。短く簡潔な表現だから意味は一通りではなく、万事に通づる

ようなものが多い。解釈も人によって、自ずと違ってくるだろう。

私なりの経験と感覚で、「若き演奏家」のためになりそうなものを、時々こうしてピック

アップしていきたいと思う。

みなさんも、楽しみながら意味を考えてみませんか?

(”いろはかるた”にも江戸・京都等いろいろあるが、まずは”江戸いろは”から。)

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「犬も歩けば棒にあたる」(いぬもあるけばぼうにあたる)

《意味》でしゃばると災いに遭う、または、出歩くと思わぬ幸せに遭うとういう意。

自分から積極的に出て行かないと、棒(チャンス)はめぐってきませんよ。(^_^)

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「論より証拠」(ろんよりしょうこ)

《意味》言葉の上の議論より、実際の証拠が何よりも確かであるという意。

「能書きはええから、その口ぐらい流暢に振れんか?」という楽員のなげき。

「能書きはええから、その口ぐらい流暢に弾けんか?」という指揮者のぼやき。

こういう時の大阪弁って、ちょっぴりユーモラスである。

『能書き』という言葉も慣用的に使われているが、本来はどういった意味に

使われるのだろうか?カシオペア(ハンドヘルドPC)の辞書で引いてみた。

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「能書き」(のうがき)

①薬のききめを書いたもの。[類]効能書き(こうのうがき)

②[自分を]売りこむための宣伝のことば。

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なるほど・・・。

「能書きは人の為ならず。我の為なり。」

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「憎まれっ子世に憚る」(にくまっれこよにはばかる)

《意味》他人に好意を持たれず、嫌われるような者がかえって世間では、誰にも遠慮しないで

         勢力を ふるっている、という意。

音楽家の魅力・説得力といったものは、とことん煮詰めて考えたことを、自分を

信じて押し通すところにその醍醐味があるという気がする。一つの演奏を聴いて

好きか嫌いか、素晴らしいのかくだらないのかを判断するのは、一人一人の感性

でしかないと思うからだ。

協調性は大切なことだが、音楽を聴く感性まで、”協調”したくはない。

「協調」と「同調」、「共同」と「共鳴」の違いかな??
 
 

[99/11/20]