◎先日ちょいと小旅行を…◎
 
 

今週はちょっと無理をして平日に休みを取り、超小旅行に出掛けてきた。

大した計画性もなくさまよって、六甲の摩耶山天上寺というところにたどり着いた。

お地蔵様や、ちょっぴり不思議な”若ガエル様”などが大勢で迎えてくれた。

お堂の中の異国情緒あふれる”七観音様”も素敵だったが、私は外に立って

いる、それぞれにしぐさや表情が違う”六地蔵様”が大変気に入ってしまい、

ずっと前に立って眺めさせていただいた。
 

帰りの長い石段を下りながら、「登って行く時と下りて帰る時では、随分気分が違う

ものだなぁ」とか、「たまにこういうところに来ると、高ぶり続けていた神経が静まって

いくようだなぁ」とか、色々な思いにふけった。普段の生活の中では、自分の神経の

高ぶりを理解するのは、結構難しいことであるように思う。私は観音様やお地蔵様に

手を合わせたが、実は自分と向きあう気持ちで手を合わせていたのだった。

心にも無いことを念ずるよりも、自分と向き合うことに気づいたことの方を喜んで

下さるだろうと、勝手にそんなことを考えていた。
 

わたしは特定の宗教を信仰してはいないが、人間にとって”信じる”ということは、

最も大切なことであると思う。特に”本当に自分を信じる”ということが、最も難しく

また大変重要なことではないかと思うのである。
 

何年か前にウィーンに行ったときのこと。大きな教会の中に、神様の前でひざまづく

場所(何というかわからない…)があった。そこで一人ひざまづいて手を合わせていた

男の人の、その深い悲しみに満ちたまなざしを、私は決して忘れることができない。
 
 

[99/11/12]