◎第九話 「本番前日に思う」◎
私の登場は、昨日(土)、そして本日(日)、明日は本番である。
前の週最後の練習後、本番前の練習の仕方については特には言わな
かったのだが、4年前コンクールを振った時に、ホールのステージの上
ではいつもの練習室の響きとはまるで違い、意識して明瞭に音を出さな
いと”小さくぼやけてしまう”感覚が少しずつ思い出されてきた。
「しまった、言っとけば良かった」と思うがもう遅い。そこで生徒宛に、
以下のような電子メールを打っておいた。
演奏指示をメールで行うのはあまり本意ではないが、急に言われても
困るだろうということで止むを得ない手段。「このような指示を、本番
1週間前に出すのは遅すぎないか、裏目に出ることは無いだろうか、」
などと思いつつ・・・。
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ホールのステージの上では、いつもの練習室の響きとはまるで違い、
意識して明瞭に音を出さないと「小さくぼやけてしまう」感覚を思い出して
来ました。小さすぎる音を大きく出させることより、大きすぎる音を抑える
方が比較的簡単なのですが、多くの場合殆ど逆になってしまいます。
本番前の練習はその辺を意識して、少し大きめの音で演奏し始め、
必要な部分を「セーブする傾向」で練習すると良いような気がします。
ただしリキんでも音がステージ上で散ってしまうだけですから、
>大きく太い音を、ホール全体に運ぶ感覚
で、管楽器も打楽器も「イメージトレーニング」しておいて下さい。
イメージ無き音には、お客さんも審査員も感動することはありません。
最終的には指揮者が奏者を煽るのでなく、指揮者がスイッチを入れる
(合図を出す)だけで「豊かな音が流れ出す」ようでありたいものです。
諸君の健闘を祈ります。
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最後の部分、高校生にはちょっと求めすぎかな・・・?。
そして昨日と本日の練習。パートによりかなり違いがあるものの、総じて良く
鳴っている。22名の合奏でこれだけ音が鳴れば上出来ではないだろうか。
力み過ぎてちょっと音が汚くなってしまっているところがあり、修正作業。
『少しくらい荒くても、よく鳴らしたほうがいい』という言葉をよく聞くが、
演奏技術・経験に乏しい分、この「少し」が、みんな大きく違うのである。
大人のバンドと高校生のバンドのまとめ方の違いを実感する。
何回か録音し、すぐにみんなで聴いてみる。これも個人差はあるが、パートで
自主的に吹き方を工夫したり、指揮者に質問してくる奏者が増えてきたこと等、
プラスに作用しているようだ。と同時に「できていないことは、できていない」
という事実もより明らかとなる。短い期間だけで全てを解決することは難しい。
やはり『積み重ね』が大切なのである。急がば回れ。栄光に近道無し。
本番はお昼前なので、楽器搬出前に合奏を入れるため、朝は7時集合と決まって
いる。普段は朝10時に集合し、昼から合奏して煮詰まってくるのは大体3時か
4時頃。これではお昼前の本番で、寝ぼけた「すっぴん」の演奏しかできないん
じゃないかということで、前々日は9時、前日は8時酒豪・・・もとい、集合として
みた・・・(^_^;。前々日は午後3時まで、前日はお昼までで終わり。
今回の私の感想だが、本番に近づくほど、工夫・指示といったものが素直に
作用しずらくなり、表目に出たり裏目に出たりする傾向が強くなるように思う。
演奏も本番が近づくにつれ、一進一退を繰り返すようになる。しかしここで
「あせってしまう」と間違いやすい。それならば今後どうすればよいか・・・。
明日は、本番です。
[00/08/06]