◎第八話 「合宿で話したこと」◎
 

2泊3日の合宿の2日目に参加して夜にミーティングの時間を取ってもらい、

私の話(提案、クレーム等々勝手な言い草(^_^;)を中心に、生徒の側と意見

交換をさせてもらった。

内容の9割方を占める私の長話は何やら支離滅裂なものとなってしまったが、

私の言った事、言いたかった事の要点を一部まとめてみた。

今回久しぶりのスクールバンド指揮、コンクール指揮であり、これが結論で

あるというよりも、これから考え、試していくための序論であるという前提で、

どうかお読みいただきたい。

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○選曲・指揮者へのスコア渡し・編成決め(※)等の「準備だけの期間」は、

『練習期間(=目標感が持てる期間)』の内には入らないと考えている。

選曲期間中に、バンドメソード等の基礎合奏のみ行うことを試みるバンドは

多いが、ある程度しっかりとした到達目標・到達意識・指導者(モニター・

チェック機能)が揃わぬ限り、基礎合奏だけで”ある期間”を乗り切るのは

難しいと思う。

それよりは、練習中の楽曲に沿った”調・和声・リズム”の課題を選び出し、

曲の練習と組み合わせて基礎合奏を行うというやりかたの方が、やはり現実

的で且つ効果的であると思う。
 

『練習期間』を最大限確保するためには、これらを一つ前の行事(新歓コン

サート・合同コンサート等)の練習期間に出来る限り併行して行い、行事終了

後すぐに次の練習に入れるようにしてほしい。

最初からきちんと『練習期間』が確保されていれば、本番間際になって慌てる

ようなことは少なくなるはずであり、選曲のための「お試し合奏」を一つ前の

行事の本番前に取り入れるようなことも現実的になってくると思う。
 

※編成決め・・・あまり上手い言葉ではないが、下記のような作業の事を

意味している。

1.コンクール参加者と編成をある時点で確定し、指揮者に報告する事。

(人数が少なければ少ないほど、編成の増減が以下の作業に影響する。)

2.パートの欠員やばらつきを補うため、欠けているパートや楽譜に書かれて

いるオプションの「どの部分」を、「どのパート」の「どの奏者」が演奏するかを

決定する事。

3.パートに欠員やばらつきがある時に、スコアを分析した結果最低限の

演奏表現のために必要と判断して、パートのコンバートを行う事。

4.編成と楽曲にマッチしたステージ配置を検討し、必要な場合は

練習時の並び方を変更する事。

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○一人の指揮者(指導者)ができる仕事には、特に時間的・量的に限界がある。

コンクール前の集中・凝縮した練習の中から基礎技術的な部分を学び、コンクール

が終わった時点から次のコンクールが終わるまでの1年間、自分達で時間をかけて

少しずつ確実に積み上げて習得し、次の年のコンクールの練習の時には、生徒だけ

で「正確な音作り(アタック・コア・リリース)」「主和音のハーモニー」くらいまでを、

”ある程度”整えられるようになることは可能であると思う。
 

コンクールに出場して自分達のクラブを評価してもらうのであれば、たった数ヶ月の

練習の成果(赤い矢印)に対してではなく、1年間の練習の成果(青い矢印)に対する

評価をもらおう。
 


 
 

[00/07/29]