◎第七話 「カリカリ・・・」◎
 

昨日23(日)、5回目(本番2週間前)の合奏。

残す私の練習は、今週夏合宿の1日、27(木)[有休取得予定しかし未定]、

29(土)、30(日)[他校と合同のホール練習]、5(土)、6(日)[本番前日]。
 

20(祝)と昨日は、合奏の前に全体を7つのグループに分け『スケールに

よる音程の確認』と『曲のチェック』を行った。30分刻みのスケジュール

を組んだが次第に時間が押し、結局1日で終わるはずが、大幅に予定を

超えてしまった。個々の奏者の学年・力量の違いやグループ間の人数の

違いを考えれば、30分ずつというスケジュールに無理があることは承知

しているつもりだったが「オルガンも用意できたし、仕上げの為に個々の

奏者に自分の音程のクセを把握させておきたい」「合奏では聴き取りきれ

ない部分をチェックしておきたい」「本番まで時間が無い」など多くの

思いが重なった結果、ちょっと”無理”をしてしまったと思う。

練習が進むほどにやりたい事が増えていき、元々「練習日も少ない事だし・・」

と割り切っていた気持ちが微妙に変わっている。合奏練習だけでは得られない

プラスの面ももちろんあったはずだが、同時にスケジュールの(大幅な)遅れは、

奏者の心理的なマイナス要因であることは否めない・・・。
 

そして合奏。こういう余裕の無い時に限って、ハプニングが起きる。

合奏は水物だからハプニングは付き物だが、”このような状況”はハプニングに

対処する指揮者(奏者)の免疫機能を、『多少』低下させる・・・。
 

前回の合奏までに「順調に仕上がったと思っていた部分」がずっこけている。

・・・これは指揮者にとって(奏者にとっても)、結構ショックである。

原因はケースバイケースだと思うが、よく演奏できている奏者が元気が無かった

とか休んでいたとか、前回欠席していた奏者に意図が伝わっていなかったとか、

指揮者が『予告せず、少しだけ』振り方を変えた(もしくは変わった)ことが

裏目に出てしまったとか、エトセトラ、エトセトラ。
 

だが原因がはっきりしていればまだ良い。原因らしい原因が見当たらない時の

方が心理的動揺は大きい。しかもパート練習に大幅に時間を裂いたため、合奏

時間はいつもより短いのである。

あせり・・・。
 

その後もいくつかのミスやつまずきを感じ、次第に”カリカリ”してしまった。

こういう時指揮者は、一流の演技でそ知らぬ振りを通すのか、問題を徹底的に

あきらかにするのか、ともかく『はっきりとわかりやすい』対処をすることが、

望ましいように思う。いつも余裕を持って『エラそうに』している私の心の中の

戸惑いに、何人かの奏者は気付いていたようだった。
 

ともかくもう一度、初心にかえろう。
 

[00/07/25]