◎第一話 「プロローグ」◎
自称『コンクール苦手男』の私が、約4年振りに母校の吹奏楽部のコンクール指揮を
おおせつかった。現在顧問の先生は吹奏楽の経験が無く指揮もされていないから、
全く生徒の自主運営だ。前回の定期演奏会での指揮を評価していただいた上での
依頼であるから、誠に以って名誉きわまりない。
近年の当部のコンクール成績はというと、大阪府某地区大会小編成の部において
数年(?)連続銅賞受賞という誠に輝けるものであり、「今年こそは金賞を受賞するぞ」
と誠に意気も盛んである。
その彼らが、名だたるOBの中でも実力不明・気鋭の『鬼コーチ』の私を指名したのは、
「どうぞシゴいてやって下さい」という気持ちの表れであろうか。「期待されるほど燃え
上がる」というのは指揮者の性(サガ)である。
指揮棒を研ぐ手にも、自然と気合が入る。(?)
[00/07/20]